現代の情報社会では覚える知識も膨大になってきています。
検索に任せるのも一つの手ではありますが、
記憶力を鍛えることはそれ自体が脳の潜在能力を引き出すことにつながるのです。
単に記憶が上手くなるだけではありません。
記憶力を鍛えることで知的超人になることができると苫米地博士は言います。
ぜひその記憶術を身に付け、超人の脳を手に入れましょう。
目次
苫米地博士の記憶のメカニズムを知ろう
脳が記憶するときのメカニズムを知ることで、
下に出てくる記憶法のテクニックも理解しやすくなるでしょう。
脳のクセ
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脳には記憶する際のクセがあります。
脳がどうやって記憶を扱っているのか、そのメカニズムを知ることで
記憶のコツをつかめるのです。
脳は知っていることを覚えようとしない
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これは聞いてみれば当たり前のように思えますね。
知っているということは記憶に入っていることなので、
新たに覚えようとする必要もありません。
しかし次のクセと合わさるとやっかいなことになるのです。
脳は曖昧な認識をする
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人間の脳は通常、曖昧な認識をします。
例えば、日本人であればたいていの人は
未来からきたネコ型ロボットのキャラクターを知っています。
しかしいざその絵を描いてみてくださいと言われると
正確に描ける人は一気に少なくなります。
なんとなく知っているのに、その実は曖昧な認識になっているのです。
ということは脳は知っていることは覚えようとしないし、
覚えていることについてもその認識はとても曖昧だということになります。
つまり、実際には曖昧な認識ではっきりと覚えていないのに、
覚えているつもりになっていることが沢山あるのです。
そして覚えているつもりになってしまっているため、
やっかいにも新しく覚えようとはしてくれません。
そう考えると、脳が曖昧なのはいけないことのように思えますが、
これは我々人間にとっては必要なことです。
たとえば、久しぶりにあった友人が、
メガネを変えて髭を伸ばしていても同じ人だと分かるのは、
曖昧な認識のおかげなのです。
ですので曖昧な認識は必要だと理解し、
その曖昧な認識とつきあっていく必要があります。
どうすればよいのかというと、
脳が知っていることを覚えないということは、
脳に知らないと認識させれば積極的に覚えてくれます。
脳は、「これは知らない。覚えなければいけない。」
と判断したときに記憶力が活性し始めます
脳は失敗したときに覚える
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記憶を定着させるか否か、
その選り分けを行うポイントとなるのが、
記憶が重要かどうかという点です。
それまで身に着けてきた長期記憶と比較して、
新たに取り入れ一時的にしまっている短期記憶が重要だと判断されれば、
それが定着化されていきます。
ではどうすれば重要だと判断されるのか。
それは失敗するということです。
人間は進化のためには失敗を改善して、能力を高めていく必要があります。
そのため、生物学的に失敗を強く認識するようになっているのです。
進化に対応するために、
人間の脳は「失敗駆動型」になっているのです。
失敗は期待外れと言い換えることもできます。
期待に反した結果が起きたときに、それを強く記憶することになります。
つまり効率よく記憶するためには、
一度失敗する必要があるというわけです。
記憶は、いかに予想を裏切るかにかかっています。
枠組みを作れ!
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脳がものを記憶するときに一番最初に入る記憶の棚が、
ワーキングメモリというものです。
人はまず一時的にワーキングメモリに記憶を入れて、
次にそれが長期記憶に入ることで記憶が定着します。
メモ帳的な使われ方をされる記憶がワーキングメモリなのです。
ワーキングメモリは脳の部位で言うと、前頭前野に位置します。
このワーキングメモリはある特性を持っていて、
一度にとどめておく記憶の量に限りがありあります。
その限界は「7つ」程度だと言われています。
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では7つ以上は覚えられないのかというと、そんなことはありません。
やり方次第でためておく記憶量を増やすことができます。
その方法が、カテゴライズするということです。
このときカテゴライズした枠組みをチャンクと呼びます。
7以上のものを覚えるときは工夫してチャンキングしていけばいいというわけです。
たとえば、電話番号なんかは
000-8888-5555
といった風に3つ、4つ、4つの数字にチャンキングされています。
これをもし合わせて11桁の数字を覚えようとすると難しいですが、
1番目のチャンクは000
2番目のチャンクは8888
3番目のチャンクは5555
というように覚えることで楽に覚えられます。
また語呂合わせもいい例になります。
語呂合わせではチャンクを作ることで、ワーキングメモリと長期記憶を一気に結びつけます。
たとえば「なんときれいな平城京」では「なんと」と「710」を語呂合わせにしてチャンクにしています。
あとは料理を作るときの調味料の順番、
「さしすせそ」
もチャンクになっています。
これは砂糖・塩・酢・醤油・味噌の5つのチャンクになっているだけでなく、
調味料を入れる順番と「さしすせそ」がチャンクになっています。
つまり、「さしすせそ」を覚えておくだけで料理をするときに
砂糖を入れてから塩を入れ、酢を入れるという順番を引っ張り出すことができるのです。
このように語呂合わせは強力な記憶方法ですが、弱点があります。
語呂合わせを自分で考えるとなると時間がかかりすぎる
ということです。
語呂合わせを考えているうちに記憶したほうが早いなんてことになりかません。
ですので、既存の覚えやすい語呂合わせを選んで使うというのが現実的でしょう。
記憶は寝ているときに整理される
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記憶を残すか消すかは睡眠と深く関係しています。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、
ノンレム睡眠では脳と体が眠っている状態で、このとき細胞の修復が行われます。
そして記憶に重要なのがレム睡眠で、このとき体は眠り、脳は起きています。
レム睡眠中に脳は記憶の整理と定着化をしているのです。
長期記憶に入れるものを選り分けているというわけです。
ということは長期記憶にうまく定着させるためには、
上手なレム睡眠をとることがカギになります。
そのためにはメラトニンの分泌が重要なのです。
メラトニンは睡眠を誘導するためのホルモンで、
これが分泌されるためには朝にしっかりと朝日を浴び、
夜は電気を消して光を浴びないようにすることが大切です。
特に夜の光は窓から差し込む街灯の光を含めてゼロにする必要があります。
遮光カーテンを使うか、アイマスクをするのをおすすめします。
また朝日を浴びるときは外に出て15分程度浴びるのがいいでしょう。
これにより体内時計が整って、夜にちゃんと眠気が訪れるようになります。
睡眠は一般的に8時間が理想とされていますが、
最低限必要な時間はどれくらいでしょうか。
これは記憶が最低限整理されるための時間で考えます。
もし、テスト前日に徹夜で頭に詰め込むとしたら
最低三時間の睡眠が必須になります。
3時間あればレム睡眠とノンレム睡眠を合わせて2サイクル回すことが出来ます。
脳の記憶の定着と休息には2サイクルが最低限必要なのです。
もしこれがないと記憶が整理されず、
頭に入れたそばから抜け落ちることになります。
ですが一番いいのは、
徹夜をしなくてもいいように前々から準備しておくことですね。
苫米地博士の記憶テクニック
ここから、苫米地博士が公開する具体的な記憶テクニックについて書いていきます。
わざと間違う
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記憶を入れるときはわざと失敗する機会を作ってあげます。
例えば、本の内容を覚えたいとき。
まず目次を読んで、そこから書かれている内容を予測します。
軽く声に出して予想を話してみるのもいいと思います。
そのあとに本文を読むことで、「予想と違ってた」という認識が起こり、
脳に失敗だと思い込ませることで記憶が定着しやすくなるのです。
ですので、読む前にしっかり自分の予想を持っておくというのが大事になってきます。
一度読んでしまうと、
脳は上で述べたように「覚えたんだ」と認識してしまうため、
覚えたことと覚えていないことが曖昧になってしまいます。
これは人と初対面で会うときに似ていると思います。
初めて会ったときの第一印象は覆りにくいというのは、
科学的に証明されていますので、最初が肝心ということになります。
もし最初に誤解されてしまうと、それが第一印象となり、
間違った印象だけども「覚えた」と判断されてしまうため、覆りにくいです。
これと同じで記憶するときも最初に間違ったと分かるようにするのが大切になりますね。
「あ、間違えた」という意識を脳に立てること、ここにコツが必要になります。
記憶の取り出し方
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記憶を覚えるのも大事ですが、
取り出すときのほうが大事だと個人的に思います。
いかに手がかりを見つけ、記憶を引っ張り出してくるかがカギです。
そのためには、エピソードに注目して記憶し、
思い出すときもエピソードを思い出すとそれを手掛かりに詳細まで思い出しやすくなります。
エピソードというのは出来事の繋がりですから、
これを使うと芋づる式に思い出しやすいんですね。
写真記憶法
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写真記憶と聞くと天才しかできないように思えますが、そんなことはないようです。
ポイントは面白いと思うこと。
興味があるものは楽に覚えられるということです。
例えば、昔好きだったアニメの主題歌を歌うとオープニングのアニメ映像が一緒に浮かんでくることがあると思います。これです。
面白いと思う意識状態を作るのです。
写真記憶のためには覚えやすい意識状態をつくることが必要です。
苫米地博士はこの意識状態を「変性意識状態」と呼んでいます。
変性意識とは人間が何かに夢中になっているときと同じ意識です。
アニメの主題歌を覚えているのは
それを歌っていたときの自分が変性意識状態になっていたからだと苫米地博士は言います。
この意識状態を作るのに大事なのはまずリラックスすること。
これには深呼吸です。
どこでもリラックスできるようにするのが大事になります。
そして写真記憶の訓練としていい方法が、
店や会社でもいいのですが、入った場所をパッと見て
すぐに目をつむってそこに何人いたかを当てる方法です。
脳内でその一瞬見た風景を再現して人数を数えるというわけです。
慣れてきたら女性は何人、男性は何人という風に細かく当てられるようにします。
そしてもう一つ大事なのが、
覚えるときと思い出すときの合図を決めることです。
苫米地博士はまばたきの瞬間に「カシャ!」と頭の中で言うことを勧めています。
これは苫米地博士の用語でトリガーといいます。
「カシャ!」という言葉を記憶と結び付けることで、
思い出すときに「カシャ!」と言うと結びついた記憶も出てくるのです。
とはいっても写真記憶にはある程度の訓練が必要だと思うので継続して練習してみてください。
サイマル法
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サイマル法とはもともと同時通訳者が使っている方法で、
人の話を素早く理解できるという利点があります。
相手の話の要点をリアルタイムで瞬時につかみ、記憶する方法です。
そのやり方は、
相手の話を記号化するというものです。
たとえば、ニュースを見ているときに、
日本の金利が上がったという内容であれば
日の丸とレイト(金利)のRと↑の矢印をメモするだけで表せてしまいます。
🇯🇵R↑
こういった感じに。
実際にこの記号が書かれていれば、後になって記号を確認しても
「日本の金利が上がった」と分かります。
ここでは内容を記号化することで短縮するというのがポイントになります。
短縮することで覚えやすくなるのです。
記号がチャンクを作ると言っても良いでしょう。
この方法は記憶しておくだけでなく、
人の話の要点をつかみながら話し合いをするのにも有効です。
ビジネスに有効なテクニックと言えるでしょう。
苫米地博士によると記憶の必要性は低下しつつある
![](http://kahura8.com/wp-content/uploads/2019/05/mac-459196_640.jpg)
現代はインターネットがあり、知りたいと思った瞬間に検索すれば数秒で知識を得ることができます。
そのため昔と比べて記憶を保持しておくことの重要性が低まりつつあるのです。
何を記憶するのかを自分で判断することが大事になります。
その判断基準は、
よりよい未来を作る認識の材料となる記憶を選ぶということです。
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