ゲーミフィケーションという言葉をご存じですか?
これはゲームの仕組みを社会の色々な場面に活用する取り組みです。
新しい考え方で、2010年くらいから使われ始めました。
「勉強は大嫌いなのにゲームとなると何時間でも連続で遊び続けられる!」
という人は多いのではないでしょうか。
ゲーミフィケーションでは勉強などにゲームのシステムを応用して、
楽しみながら続けることが出来ないか、という観点で考えていきます。
最近は会社の研修などにおいても、このゲーミフィケーションが取り入れられるようになってきました。
あなたの日常においても上手く取り入れることが出来れば、
退屈な作業でも、徹夜でゲームをする子供のように継続することができ、
どんどんスキルアップしていけることでしょう。
目次
人はなぜ飽きるのか
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飽きるという機能。
生物学的に考えてみましょう。
生物に備わっている機能には、目的が必ずあります。
その機能があることで生物が生き延びられる、もしくは種の繁栄に役立つものであるはず。
一見悪いように見える機能でも必ずそのメリットがあるものです。
たとえば、 鎌状赤血球症という疾患があります。
これは、血液の中の赤血球の形がカマの形になる疾患です。
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赤血球は通常、中央がへこんだ丸い形をしていて、
体の隅々に酸素を運ぶ役割を持っています。
しかし鎌状赤血球症の人はその名の通り、
赤血球がカマの形をしており、酸素を運ぶ能力が低下します。
その結果、貧血を起こしやすくなるのです。
この疾患はアフリカで多く見られます。
アフリカのある地域の人々は、赤血球がカマの形をしているのです。
一見悪い症状のように思えますが、
実は大きなメリットがあります。
マラリアに対する抵抗力が非常に強いのです。
アフリカではマラリアが蔓延している地域があります。
これは鎌状赤血球症の人がいる地域と重なっているようです。
つまり、マラリアという病気に対抗するために、
酸素を運ぶ能力を下げてまで人間の体が進化したと考えることができます。
疾患のようにみえる機能も、
裏を返せば重大な病気から身を守る進化だったというわけです。
話を戻しましょう。
飽きるという機能も、
一見悪いことのように思えますがメリットがあると考えられます。
結論から言うと、
飽きるのは、人間が同じことばかりせずに新しいことを経験するためです。
人類が社会的に進化してきた過程で、
新しいことに挑戦して成長するために、
いつの間にか脳の機能として備わったんですね。
なぜ新しいことをどんどん経験すると良いのかというと、
生物として、いろいろな経験をすることで
環境の変化に対応できるからです。
さまざまな経験をして失敗のフィードバックを得ることで
変化に強くなっていく。
つまり飽きるのは、生物学的に生き残るためのシステムだといえます。
ではそれを踏まえて、
飽きないための方法を考えてみましょう。
人間の脳が新しいことを経験したいということは、
脳に新鮮さを認識させる必要があります。
ということは
何かを継続するときは、
やり方を毎回変えるのがいいと考えらえれます。
完全に変える必要はありませんが、
毎回少しずつアップデートさせていくのです。
ゲームはなぜ飽きないのか
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勉強は飽きるのにゲームは飽きない。
それはなぜでしょうか。
ゲームにおいては、敵に負けるなどの失敗経験がまずあります。
それに対してプレイヤーは悔しさを感じるので、
敵を倒し、ミッションをクリアする。
そしてストーリーをクリアしていく。
そういった工程があることによって達成感が得られます。
この達成感こそゲームの快感であり、
ゲームを楽しみながら進められる理由の一つでしょう。
努力が報われるからこそ面白いということになります。
それは必ずというわけではなく、アイテムドロップなどの確率的な要素もありますが、
それも続ければ必ず出るとわかっているからこそ続けられるのだと思います。
確率が低いほど達成感も増すというものです。
そして、飽きる前のちょうどいいタイミングで報酬を出している。
つまり作業時間と報酬のバランスが絶妙なため飽きないのです。
そこにストーリー的な要素も入って、作業に意味を持たせながら続けられるようになっています。
さらには、子気味の良い効果音も小さな報酬としての役割を果たしているのでしょう。
以上の要素を自分で工夫してつけ足していくことがカギになると思います。
自分で細かい目標を立てたり、
定期的にテストをして数値化したり、
自分ルールを作ってみるのがいいかもしれません。
ゲームとはなにか
もっと踏み込んでいきましょう。
ゲームの要素とはなんでしょうか。
ゲームらしさとは?
どうすればゲームらしさを出せるのでしょうか。
そのためには下記の4つが必要です。
1. やるべき課題が明確になっている
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何のために、どのゴールへ向けて進んでいくのかを明らかにします。
そしてその目標や課題は適切である必要があります。
2. 現在の状況が数値化されている
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自分がいまゴールまでの道のりの中でどの位置にいるのかを、
数字を使って可視化すると、迷わず進んでいけるようになります。
道すじに沿ってステップアップしていけるので、
挫折しにくいのです。
3. 行動に対するフィードバックがある
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自分がやっていることが正しいのか、
それとも間違っているのか分からない状況では不安が募ります。
他の人からのフィードバックによって、
行動の結果を知ることが大切です。
4. 魅力的な報酬がある
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また人からの評価を受けるのは自己効力感を得られます。
それはチャレンジすることへの動機づけにつながります。
課題をクリアしたり目標を達成したときにご褒美があると、
モチベーションが上がりますよね。
計画を立てる前には、課題、数値化、フィードバック、報酬、
これら4つの要素を確認すると良いでしょう。
4つのゲーマータイプ
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ゲーマータイプというものがあります。
これは人がどんなことに対して楽しさを感じるかという分類です。
アチーバー(Achiever)
これは難しい課題に挑戦して、困難を乗り越えた先の達成感に満足感を得るタイプです。
条件を満たすと得られる称号に魅力を感じます。
このタイプは「達成感」がキーワードです。
エクスプローラー(Explorer)
探索したり、新しい仕掛けや要素を発見することに満足感を得るタイプです。
逆に短調な作業を嫌います。
キーワードは「新鮮さ」です。
ソーシャライザー(Socializer)
他の人との関わりを好むタイプです。
他者から頼りにされたり、交流しながら協力して課題をこなすことにやりがいを感じます。
ソシャゲはこのタイプに好まれるでしょう。
チャットなどの会話も含まれます。
キーワードは「交流」です。
キラー(Killer)
人の上に立ちたいタイプです。打ち勝ちたいともいえます。
それがはっきりとした順位や数字で表れると満足感を得ます。
このタイプは格闘ゲームを好むでしょう。
キーワードは「競争」です。
さて、これらの4つをまとめると
人と協力し、競争しながら、次々と新しさを見出し、
報酬を得ていくと、強いモチベーションが保てるということになります。
ゲーミフィケーションでは課題と報酬を設定せよ
基本的には勉強や掃除など、何か作業をしなければいけないときに、
終わった後に自分へのご褒美を決めておくといいでしょう。
ただし報酬によるモチベーションはクリエイティビティを下げるというデータもあるので注意。
この動画をご覧ください。
ダニエル・ピンクのやる気に関するプレゼンテーションです。
内容をまとめると、クリエイティブな仕事をするときに
報酬をモチベーションにすると効率が下がるというものです。
創造性が必要とされる仕事をするときは報酬を設定しないほうがいいかもしれません。
逆に日課や習慣付けにおいて、ゲーミフィケーションは効果を発揮します。
ストーリー性も大事
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最近のゲームはアニメや映画に劣らず、
ストーリーが作りこまれているものが多いですよね。
ストーリーもゲーミフィケーションに重要な意味を与えると思われます。
ストーリーを一言で表すと、それは成長の物語です。
仲間と協力して試練を乗り越え、成長していくことに達成感を感じます。
またその過程に魅力を感じるのです。
成長を感じられるような環境を作ることが重要だと言えるでしょう。
ゲーミフィケーションの例
ゲーミフィケーションが上手く日常に取り入れられた例を紹介します。
ポケモンGO
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少し前に流行りましたね。
スマホの位置情報と連動してポケモンが出てきて、それを捕まえるゲームです。
これは厳密にはゲームそのものですが、プレイヤーが実際に各地を訪れるという点で、
ゲーミフィケーションの考え方が当てはまると思います。
現実でのメリットとゲーム世界のレベルアップが連動しているのです。
たとえば、歩く距離により卵がふ化するシステムは、運動不足解消により健康を増進します。
また、チームに分かれて陣取り合戦するシステムもあり、これは新しい仲間づくりやコミュニケーションに繋がるでしょう。
こうした現実のメリットをゲームを通して享受できるわけです。
iKnow!
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これは英語学習アプリです。
学習時間の達成数に応じて 完了アイテムやバッジが与えられます。
また学習者は獲得したバッジをSNSでシェアすることができ、
SNSを通じて競い合い、楽しみながら取り組むことができます。
おすすめ最強アプリ
ゲーミフィケーションの要素をふまえたうえで筆者おすすめのアプリを紹介します。
みんチャレ – 三日坊主防止アプリ
これはスマホアプリなのですが、習慣付けに最適です。
同じ目標を持った人が集まり、毎日課題を達成したかどうかを写真で確認し合います。
最大5人グループのチャット形式です。
とはいっても面倒くさいものではありません。
基本は毎日写真を投稿するだけです。
目的が共通しているのでやり取りもしやすいです。
さらにAIのキャラクターがグループの会話に混ざってくるという面白さもあります。
AIがある単語に反応するという隠し要素まであり、作り込まれています。
チャットではLINEと同じようなスタンプも使えます。
毎日連続で課題を達成するとコインが貯まり、そのコインでスタンプを買うことができます。
徐々に使えるスタンプが充実していくとコレクション欲が刺激されますよ。
LINEでもスタンプが多くなると使える反応のバリエーションが増えて楽しいですよね。
あれと同じです。
先に紹介した、他者との交流と報酬、そしてフィードバックの要素をこのアプリで満たすことができます。
まとめ
さあ、今回紹介した要素に気を付けて探してみると、
ゲーミフィケーションは意外と様々なところに使われています。
今まで意識していなかったため気付かなかったことが
この記事を読むことで見えてくるはずです。
ぜひ探してみてください。
そしてゲーミフィケーションをうまく日常に取り入れていきましょう。
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